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糸満大綱引

2013年11月25日

五穀豊穣、商売繁盛を願い南と北での力比べ。どっちが勝ってもゆがふうの一年はやってくる。

 

十五夜に行われる糸満大綱引

 

沖縄の祭りの多くは、より多くの人が参加できるようにと週末に行われるようになりましたが、糸満大綱引は伝統を重んじて今でも旧暦の八月十五夜に行われます。

伝統行事には閉鎖的なことが多いものですが、糸満大綱引は衆人綱(スニンジナ)、万人綱(マンニンジナ)と呼ばれ、誰でも参加可能。そのため、平日にもかかわらず県外や海外からも多くの人が集まり、五穀豊穣、大漁祈願、家内安全、無病息災を願って参綱を引きます。糸満大綱引の面白いところは、勝敗により吉凶が占われるのではなく、ニシカタ(北組)が勝てばニシカタゆがふう、フェーカタ(南組)が勝てばフェーカタゆがふうとなり、糸満の大綱を引いた人はどちらが勝ってもゆがふうの年となるというところ。競技時間は30分、10メートル引いたほうが勝ち、30分で勝敗が決まらない場合は2メートル引いたほうが勝ちとなります。

 

今年は9月19日木曜日に開催されたので、沖縄在住10年の島ナイチャーが朝から密着!この日は朝8時半から準備開始。白銀堂から糸満ロータリーまでの道が通行止めになり綱作りが始まっていました。

 

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白銀堂周辺は人もほとんどいなく『この時間で当たってる!?』と不安になるほどでしたが、綱が見えてくると、綱づくりだけでなく既に出店の準備も始まっていました。

 

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ジャージを着た中学生がたくさんいたので話を聞くと、みんな糸満中学校の生徒で、授業の一環として朝から生徒全員が準備に参加しているとのことでした。中学生が駆り出されるようになったのは4年前からで、昔とちがって祭りのために休みを取ることが難しくなってきた大人たちの人手をカバーすることと、地域の子どもたちに綱作りを継承するためだとのこと。時にはふざけて怒られながらも重たい綱を運ぶ生徒たち。大人たちに手ほどきを受けながらニシカタ(北組)とフェーカタ(南組)に分かれての綱作りは、見ているとニシカタが勢い良く声を掛け合いながらリズミカルに進んでいる様子でした。

 

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作り始めて約4時間、一番太いところで1.5メートルの極太綱が完成。ニシカタとフェーカタの綱はまだつなげず、先端が輪になった状態で添え木を使って道端の手すりに立て掛けられました。これは本番直前につなげられるとのこと。輪になっている部分はゆうに大人の身長を超えます。

 

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午後1時半、糸満小学校で道ズネーの出発式が始まりました。

 

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広いグラウンドには、先ほどの綱づくりの時とは打って変わってばっちりと服装を整えた参加者がずらりと並び、その家族や見学客、そして多くのマスコミがカメラを構えて集合。人口密度が異常に高く、とても平日とは思えない雰囲気が立ち込めてきました。旗を揚げた状態でグラウンドに並ぶ様は壮観。

 

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開会の挨拶の後、梅の灯籠をつけた「ゆがふう旗」・桜の灯籠をつけた「かりゆし旗」の旗頭を先頭に道ズネーがスタート。

 

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幼稚園児から、子ども会、青年会、成人会など1つの区内でも年齢層別にたくさんのチームがあり、それぞれかなり練習しただろうと思われる演舞を披露していました。

 

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演目もダンス、エイサー、舞踊、獅子舞などさまざまで見応え満点。

 

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途中途中で立ち止まり演舞をしながら白銀堂までの約2キロを練り歩きます。

 

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今年の道ズネーの参加者はなんと約1000人とのことで、最後のチームが本部席前に到着するまで4時間あまり! 予定時間をかなりオーバーし、「遅れています!」というアナウンスを何度も聞きました。

 

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中でも目立っていたのが、全員がチョンダラーの新屋敷青年会。

大きなお手製の鋤や鎌などを高らかと振り上げてゆっくりとしたリズムの音楽に合わせて踊っていると、音楽がピタリと停止。

 

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その瞬間四方八方に散り沿道の子どもたちを驚かしていました。泣き出した子どもには飴玉をプレゼント。怯えて泣きながらも、飴玉が欲しくてしっかりと手を伸ばす子どもたちに近くにいる大人たちはみんな微笑みを浮かべていました。彼らも小さいころは泣かされていたんだろうなと、獅子舞が怖くて泣いた子ども時代を思い出しました。

 

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白銀堂手前の本部席の前に到着すると、その場でもう一度演舞を披露し、予定の時間を大幅に過ぎたころにようやく開会宣言。昨年の勝者フェーカタから優勝旗・優勝カップの返還があり、ゆがふう(フェーカタ)、かりゆし(ニシカタ)の旗頭シンカによるガーエー(我栄)が行なわれました。

 

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終わりの合図を受けてもテンションが上がりきったニシカタが止まらず「終わりやし!」というMCに会場が笑いに包まれる場面もありました。そしてとうとうニシカタ・フェーカタの綱が繋がれます。ニシカタの雌綱の輪になっている部分に人が入って広げてフェーカタの雄綱をねじ込み、カヌチ棒で抜けないように固定されます。雄綱の輪をきつく締めすぎて挟んでいたドラム缶がなかなか抜けないというトラブルがあり時間がかかりましたが、約180メートルの大綱が完成。この時点でかなり日は傾いていました。

 

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南北両陣営から支度(シタク)と呼ばれる伝説上の人物に扮した若者が戸板で担がれて登場。ニシカタからやって来たのは、身の丈六尺八寸(2m4cm)怪力無双の大男「イチマンマギー」に扮した兼元大虎くんとその家来役の髙吉全くん。対してフェーカタからやって来たのは刀を手にした身の丈五尺七寸の「マカビチャーン」に扮した田中優希くん。そして家来役の佐藤春彦くん。もちろんみんな糸中生。それぞれサバニのエーク、刀を手にしたまま睨み合います。この睨み合いが勝敗にかかわるとされ、それぞれの陣営の士気がが高まります。そしてこのシャッターチャンスを逃がすかとばかりに競い合ってカメラやスマホを向ける見物客。すごいです。芸能人ばりです。その場にいた全員の撮った写真を合わせたら、何千枚にもなると思います。睨み合いは引き分けとなり、予定より1時間程遅れて、日も暮れかけてきたころいよいよ本番スタート!

 

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委員長がゆっくりと大きな旗を振り上げたのを合図に、緊張の糸が張り詰められました。

 

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糸満大綱引は独特で、一斉に引き合うのは初めの数分のみ。片方が引いている時は、綱の上に座るなどして体力を温存し、相手が疲れてきたころを見計らって引き返すなどの駆け引きが行なわれます。

 

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じりじりとニシカタに引かれつつも粘るフェーカタ。不安定な綱の上に立ち、旗を振りながら笛を吹いて指揮を取る人。

 

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声を掛け合いながら綱を引く人、ギリギリまでにじり寄って写真を撮る人、見学のつもりが巻き込まれて一緒になって綱を引く人。

 

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とにかく人人人。

 

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子どもも大人もお年寄りも、観光客も、外国人も、チョンダラーもみんなが1つになって綱を引く姿は壮観。ものすごい人口密度と熱気にクラクラします。なかなか勝敗が決まらずあと少しで制限時間を迎えるころ、ずるりとニシカタへ。「やばいやばいやばい!」とフェーカタが引き返そうとするも止まらず、ニシカタの勝利となりました。

 

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空を見上げると、満月がぽっかり。いつの間にか、夜になっていました。参加者も見物客も綱をもって帰途へ。熱気に包まれた1日でした。

 

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