沖縄戦跡国定公園は、自然公園法に基づき、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、国民の保健・休養・教化に資することを目的に指定された国定公園です。
沖縄本島南部の戦跡を保護することにより、戦争の悲惨さ、平和の尊さを認識し、戦没者のみ霊を慰めるとともに、雄大な海蝕崖景観の保護を目的に設けられています。
戦跡としての性格を有する国定公園としては日本唯一のもので、その区域は、糸満市摩文仁を中心に八重瀬町の一部やその地先海域を含めた5,059ha(陸域3,127ha、海域1,932ha)になります。
陸域3,127haのうち、糸満市の占める面積は2,586haになります。糸満市の面積が4,663ha(国土地理院:平成29年面積)であることから、面積の約55パーセントが沖縄戦跡国定公園として指定されていることになります。
沖縄戦跡国定公園の適正な管理運営を行うため、公園計画が定められています。公園計画は、保護のための規制や施設に関する保護計画と、利用のための規制や施設に関する利用計画に区分されています。
○規制計画
公園内で行うことができる行為を規制することで自然景観の保護を図ります。規制される行為の種類や規模は、地種区分に応じて定められています。地種区分は、特別保護地区、第1種~第3種特別地域、海域公園地区、普通地域の6種類があります。
○利用計画
適正に公園を利用するために必要な施設などを計画し、それぞれの計画に基づいて道路、公衆トイレなどの施設が設置されます。糸満市では、喜屋武園地と大度園地が公園施設として整備されています。
沖縄戦跡国定公園区域・公園計画図
※公園区域の境界は、主に道路、河川、海岸線や土地の地番によって区分されています。それぞれの区域境界線の目印は、上記ファイルの境界線に記された数字(凡例)から確認することができます。
沖縄戦跡国定公園内における各種行為の規制概要は下表のとおりです。そのほか、許可が必要な行為の概要などについては、WEBページを確認してください。
地種区分 | 内容 | 規制概要 |
特別保護地区 | 特に優れた自然景観、原始状態を保持している地区で、最も厳しく行為が規制されます。 | 原則として開発行為は禁止。ただし、災害復旧や公益上必要と認められたものについては許可。 |
第1種特別地域 | 特別保護地区に準ずる景観を有し、特別地域のうち風致を維持する必要性が最も高く、現在の景観を極力保護することが必要な地域です。 | ・許可できないもの:ゴルフ場、分譲地、野外運動施設 ・公益性があれば許可できるもの:建築物、工作物、車道 ・許可できるもの:木竹の伐採、広告物の設置(高さなどの制限あり。) |
第2種特別地域 | 農林漁業活動について、努めて調整を図ることが必要な地域です。 | ・許可できないもの:ゴルフ場 ・許可できるもの:建築物(高さ13m以下などの制限あり。)、屋外運動施設(面積2,000m²以下などの制限あり。)、工作物(風致景観と著しく不調和でないもの)、木竹の伐採(伐採規模の制限)、農地の開墾 |
第3種特別地域 | 特別地域の中では風致を維持する必要性が比較的低い地域であり、通常の農林漁業活動は規制のかからない地域です。 | 木竹の伐採は皆伐を認めている。工作物の設置については、第2種特別地域とほぼ同様。 |
普通地域 | 特別地域や海域公園地区に含まれない地域で、風景の保護を図る地域です。特別地域や海域公園地区と公園区域外との緩衝地域(バッファゾーン)と言えます。 | 一定規模以上の建築物(高さ13m以上または延べ面積1,000m²以上)などは届け出が必要。 |
海域公園地区 | 熱帯魚、サンゴ、海藻などの生物や、海底地形などが特に優れている地区です。 | 特別保護地区に同じ。 |
1 申請者・届出者
・個人の場合は本人、法人などの場合は代表者
※代理人が代行して行う場合は、委任状を添付してください。
2 申請日・届出日
・行為着手予定日から30日以上前
※申請(または届け出)前に沖縄県(自然保護課☎098-866-2243)と調整してください。
3 提出書類
・申請書(または届出書)、添付書類
(1)特別地域に係る提出書類 申請様式および添付書類について(沖縄県)
(2)普通地域に係る提出書類 普通地域における開発行為の届け出について(沖縄県)
4 書類提出場所
・糸満市政策推進課(市役所4階)☎098-840-8122
5 形式審査・進達
・提出書類の受け付け後、形式審査をします。
・関係部署へ意見照会し、その意見を付して進達します。
6 許可申請(特別地域)の審査について
・申請書に必要事項が記載されているか。
・施行規則第11条に基づく許可基準に適合しているか。
・添付書類が提出されているか。
・風致景観の維持に支障を及ぼさないか。
※許可するに当たり条件が付されることがあります。
7 届出(普通地域)の審査について
・届出書に必要事項が記載されているか。
・添付書類が提出されているか。
・風致景観の維持に支障を及ぼさないか。
8 自然環境調査について
・特別地域内の申請で次に該当する場合は、自然環境調査が必要になります。
(1)面積が1ha以上
(2)延長が2km以上またはその幅員が10m以上の道路の新築
(3)周辺の風致景観に著しい影響を及ぼす恐れがある場合