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8月31日(日曜日)、WBSC U-18 野球ワールドカップに出場するチャイニーズタイペイ(台湾)とアメリカの代表チームが、糸満市摩文仁の平和祈念公園で平和学習を行いました。
戦後80年を迎える沖縄県で本大会が開催されるにあたり、出場国による国際・平和交流事業の一環として実施されたものです。
案内役を務めたのは、糸満市平和の語り部育成事業で沖縄戦を学んでいる、糸満高校3年生の伊敷妃菜(ひな)さん。同世代の彼女が、両国の選手を案内しました。
両チームは、まず平和祈念資料館を見学した後、平和の礎に移動。伊敷さんから、平和の礎が建立された理由について説明を受けました。伊敷さんがそれぞれの国の言葉で挨拶をすると、選手たちから笑顔がこぼれました。
選手たちは伊敷さんの説明に熱心に耳を傾け、アメリカ代表チームからは「平和の礎に刻まれた人数は?」「来場者数は?」といった質問が出ました。また、伊敷さんも選手たちへ「戦争について学んでいますか?」「沖縄戦について知っていましたか?」といった質問が投げかけられ、活発な意見交換が行われました。
アメリカ代表チームの選手は、戦没者への哀悼の意を込めて、帽子のつばに戦没者名を記していました。ある選手は「フィールドの中では敵と味方に分かれるけれど、一歩外に出れば敵も味方も関係ない。大会前にここを訪れることができてよかった」と感想を語りました。
平和学習を締めくくるにあたり、伊敷さんは「今も世界のどこかで戦争が起こっている。沖縄戦について伝え続けることで、平和な世の中になることを訴え続けたい」と力強く述べました。その言葉に、両国の選手たちから大きな拍手が送られました。
なお、この平和学習は、5日の開幕を前に、日本代表チームなども行う予定です。
チャイニーズタイペイ(台湾)代表チーム
伊敷妃菜さん(糸満高校3年)
平和の火について説明
アメリカ代表チーム