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令和3年度報酬改定により令和6年4月1日から実施が義務付けられる事項について
令和3年度介護報酬改定により新たに定められ、経過措置により令和6年3月31日までは、努力義務とされている下記の事項について、経過措置終了後は義務化されます。
経過措置期間満了時までに確実に実施できるよう、基準省令等を確認の上、計画的に取り組んでください。
1.高齢者虐待防止の推進
対象サービス:全サービス
事業者は、利用者の人権の擁護及び虐待防止等の観点から、虐待の発生またはその再発を防止するため次の措置を講ずる必要があります。
・運営規程に「虐待防止のための措置に関する事項」を追加
運営規定に「虐待防止のための措置に関する事項」のみを追加した場合は、変更届出書の提出は不要です。
・虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催
・委員会の結果を従業者へ周知
・虐待の防止のための指針を整備
・虐待の防止のための研修を定期的に実施(年1回以上・新規採用時)※
・虐待の防止に関する措置を適切に実施するための担当者の選任
※「認知症対応型共同生活介護」「地域密着型特定施設入居者生活介護」「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」については、研修は年2回以上となります。
※上記以外のサービスは、年1回以上となります。
2.認知症介護に係る基礎的な研修の受講
対象サービス:全サービス(無資格者がいない訪問系サービス(訪問入浴介護を除く)、福祉用具貸与、居宅介護支援を除く)
事業者は、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護基礎研修を受講させるために措置を講ずる必要があります。
新たに採用した従業者の受講については、1年の猶予期間が設けられています。
義務付けの対象とならいない者
各資格のカリキュラム等において、認知症介護に関する基礎的な知識及び技術を習得している者
具体的には、同条第3項において規定されている看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者に加え、介護職員基礎研修課程または訪問介護員養成研修課程一級課程・二級課程修了者、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等です。
参考資料
【沖縄県】介護保険施設等従事者向け研修<外部リンク>
3.感染症の発生及びまん延などに関する取組
対象サービス:全サービス
事業者は、感染症が発生し、またはまん延しないように、措置を講ずる必要があります。
・感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催
・委員会の結果を従業者へ周知
・感染症の予防及びまん延の防止のための指針を整備
・感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練を定期的に実施
参考資料
【厚生労働省】介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめページ<外部リンク>
4.業務継続計画の策定等
対象サービス:全サービス
事業者は、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための業務継続計画を策定し、業務継続計画に従い次の措置を講ずる必要があります。
・業務継続計画の策定、定期的な計画の見直し
・従業者へ業務継続計画について周知
・研修及び訓練を定期的に実施
参考資料
【厚生労働省】介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修<外部リンク>
5.栄養ケア・マネジメント
対象サービス:地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(一部除く)、介護医療院
介護保険施設における栄養ケア・マネジメントの取組を一層強化する観点から、栄養マネジメント加算が廃止され、基本サービスとして行うこととされました。栄養ケア・マネジメントの基準を満たさない場合は、令和6年4月1日からは栄養管理に係る減算の対象となります。
栄養ケア・マネジメントの手順(詳細は参考資料を確認してください。)
(1)管理栄養士と医師、歯科医師、看護師及び介護支援専門員その他の職種と共同して、栄養ケア計画を作成
(2)栄養ケア計画に基づき、栄養管理を行うとともに、入所者の栄養状態を定期的に記録
(3)栄養ケア計画の進捗状況の定期的な評価、必要に応じた計画の見直し
参考資料
介護保険最新情報vol.936(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について) [PDFファイル/43.56MB]
「第4 施設サービスにおける栄養ケア・マネジメント及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」をご参照ください。
6.口腔衛生の管理
対象サービス:地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(一部除く)、介護医療院
施設系サービスにおいて口腔衛生管理体制を確保するよう促すとともに、令和3年度から口腔衛生管理体制加算を廃止し、基本サービスとして行うこととされました。
口腔衛生管理の手順(詳細は参考資料を確認してください。)
(1)歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士による、施設の介護職員に対する口腔衛生の管理に係る技術的な助言または指導の実施
(2)(1)の技術的助言または指導に基づき、入所者の口腔衛生の管理体制に係る計画を作成
(3)必要に応じた定期的な計画の見直し
参考資料
介護保険最新情報vol.936(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について) [PDFファイル/43.56MB]
「第7 口腔衛生の管理体制に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について」をご参照ください。
7.その他
虐待の防止に関する措置や感染症の予防及びまん延の防止等、経過措置が設けられている項目について、「令和6年3月31日までに運用を開始するものとする。」等のように、経過措置期間終了までに体制を整える旨を運営規定に記載している場合は、令和6年3月31日までに体制整備を行った上で、文言を削除するようにしてください。文言の削除のみを行った場合は、変更届書の提出は不要です。