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No.17 サバニとウミンチュー
801114-2-23-0008
これから漁に出るところだろうか。1959年から60年にかけて糸満漁港で撮影された1枚。
バ笠にウミギン(海衣)姿の男性と、その横に主が乗り込むのを待つサバニが、トゥムと呼ばれる船尾部の方から撮影されている。
クバ笠は竹ひごを円錐状に組み、その上にビロウの葉を張って作られ、陸用と海用とに区別される。
男性が被っているのは海用のもので、陸用に比べると勾配があり底部の輪が小さい。
継ぎ接ぎのあるウミギンの上に着ているのは、米軍払い下げのHBT(エイチ・ビー・ティー)と呼ばれる作業服。
汚れが目立たず丈夫なHBTは作業着に最適で、戦後の沖縄では仕立て直したりして多くの人に愛用された。
手にしている網はタブといい、魚をすくうのに使われる。
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(写真提供 東風平朝正氏)