本文
平成25年から約11年間、市民に読書の機会を広く提供してきた移動図書館車2代目くろしお号が南アフリカ共和国に寄贈されるにあたり、5月17日(土曜日)、中央図書館で出発式が行われ、多くの図書館利用者や関係者に見守る中、新天地に向け出発しました。
2代目くろしお号は初代くろしお号の老朽化に伴い、平成24年度にコミュニティ助成事業を活用して平成25年2月から運行がスタート。2代目くろしお号は車いす用のリフトを後部室内に設置し、バリアフリー対応となったことで、より多くの市民が本とふれあえるようになり、導入以来、約11年間で述べ47万2千点の図書が貸し出されています。
寄贈先の南アフリカ共和国では、現地の教育機関と連携しながら図書館がない地域の公立小学校を中心に、図書館機能が十分に整っていない地域の巡回を予定しており、2代目くろしお号によって子どもたちの学びや夢を広げることが期待されています。
出発式では、地域利用者を代表して賀数公民館ステーション利用者の大城ひかるさんが「賀数公民館ステーションでは、毎回顔を合わせる利用者が訪れないとき、職員とともに体調の心配をしたものです。くろしお号は知識ア学びのほかに、そういった人との出会いや思いやり、心の通い合いの場をつくってくれました。きっと異国の地でも知識を届け、夢を育み、新たな出会いを生み、誰かの心を豊かにすることでしょう。2代目くろしお号、長い間ありがとうございました。」と感慨深そうに思い出を語りました。
さらに、学校利用者を代表して米須小学校ステーション利用者の山城愛菜さん(米須小6年)は「1週間に1度のくろしお号巡回日が楽しみでした。くろしお号には学校の図書館にない本がたくさんあり、多くの本にふれることができました。南アフリカでも多くの人たちにいろいろな本を知ってもらい、本の楽しさを届けてください」と、これからのくろしお号の活躍を願いました。
寄贈先へ届けるため2代目くろしお号を引き受けたNPO法人SAPESI-Japanの鈴木俊幸事務局長は「利用者代表のあいさつを聞きながら、市民の皆さんがすごく大事にしていた車を預かることになると気持ちを新たにしたところです。皆さんの思いや期待も一緒に南アフリカ共和国へ届けさせていただきます。本日はありがとうございました」とお礼を述べました。
出発式後には、参加者や関係者が「いままでありがとう」「がんばってね」という掛け声を受けながら、2代目くろしお号は新天地に向けて元気よく走り出しました。
2代目くろしお号について、詳しくは中央図書館(Tel:098-995-3746)まで。